スワップ運用の基礎知識

FX・スワップ運用における税金のルール!FX会社によって取扱いが違うので要注意。

FXで利益が出た、そうすると今度は気になるのが税金の話。

普通の会社員だと確定申告って経験がないけど・・・必要あるのかな?税金っていくら?

そんな辺り、最初は心配ですよね。

・FXで税金を納める必要がある人は?

・スワップポイントの取扱いはどうなの?

・FXの課税方法って?

という点について、まとめていきたいと思います。

特にこれからスワップ運用を始める人や、始めたはいいけど来年の税金が心配・・・という人の参考になれば幸いです。

 

簡単に言うと・・・

・FXで20万円以上利益が出たら要確定申告!(他の所得と合算)

・金額は『実現損益』に準拠し、含み損益は無視する。

・スワップポイントはFX会社によって扱いが異なる・・・!

・FXの利益に対する課税は申告分離課税で20.315%。

 

FXで税金を納める必要がある人は?

FXに限らず、以下の条件に該当する方は確定申告を行う必要があります。(給与所得者の場合)

一応引用しますが、長いし読み辛いのであとで要約しますね。

次の計算において残額があり、さらに(1)から(6)のいずれかに該当する

(計算)

1 各種の所得の合計額(譲渡所得や山林所得を含む。)から、所得控除を差し引いて、課税される所得金額を求めます。
2 課税される所得金額に所得税の税率を乗じて、所得税額を求めます。
3 所得税額から、配当控除額と年末調整の際に控除を受けた(特定増改築等)住宅借入金等特別控除額を差し引きます。

(1) 給与の収入金額が2,000万円を超える
(2) 給与を1か所から受けていて、かつ、その給与の全部が源泉徴収の対象となる場合において、各種の所得金額(給与所得、退職所得を除く。)の合計額が20万円を超える
(3) 給与を2か所以上から受けていて、かつ、その給与の全部が源泉徴収の対象となる場合において、年末調整をされなかった給与の収入金額と、各種の所得金額(給与所得、退職所得を除く。)との合計額が20万円を超える
※給与所得の収入金額の合計額から、所得控除の合計額(雑損控除、医療費控除、寄附金控除及び基礎控除を除く。)を差し引いた残りの金額が150万円以下で、さらに各種の所得金額(給与所得、退職所得を除く。)の合計額が20万円以下の方は、申告は不要です。
(4) 同族会社の役員やその親族などで、その同族会社からの給与のほかに、貸付金の利子、店舗・工場などの賃貸料、機械・器具の使用料などの支払を受けた
(5) 給与について、災害減免法により所得税等の源泉徴収税額の徴収猶予や還付を受けた
(6) 在日の外国公館に勤務する方や家事使用人の方などで、給与の支払を受ける際に所得税等を源泉徴収されないこととなっている

出典:国税庁 https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/shinkoku/tebiki2017/a/01/1_06.htm

はい、では簡単に説明します。

ごく一般的な会社員の場合、確定申告が必要になるとしたら (2) のケースがほとんどです。

要するに、会社員として得る給与所得・退職所得の他に年間20万円以上の所得がある場合に確定申告を行う必要があります。(賞与は給与所得に含まれます。)

例えば親から贈与を受けた、副業で所得があった、懸賞・競馬・競輪などで大当たりした、などです。

 

FXで言ったら、年間20万円以上の利益があった場合に確定申告を行い、税金を納めることになります。

 

他の一時所得・雑所得などと合算されますので、他に一時所得が年間20万円以上あった場合、FXの利益が1円でも申告する必要があります。

 

なお、年金は雑所得なのですが、年金受給者には『確定申告不要制度』という特例があり、年金額が年間400万円以下、かつ年金以外の所得が年間20万円以下の場合には確定申告が不要となります。

FXの収入と他の所得が合算されるのは同じです。

 

一般的な給与所得者(一箇所から給与を受けていて、年収2000万円以下)は、給与所得・退職所得以外に20万円以上の所得がある場合に確定申告が必要。

年金所得者(年金額400万円以下)の場合も同様に、他の所得が20万円以上の場合に確定申告が必要。

専業トレーダーは年間38万円(基礎控除額)以上の所得があれば確定申告が必要。

個人の税金は、暦通り1月1日~12月31日を1年として扱います。

住宅ローン減税を受ける初年度など、別の理由で確定申告を行う必要がある人は例え利益が1円であっても確定申告を行う必要があります。

 

ただし!20万円以下でも住民税は要申告!

一般的な給与所得者の場合、20万円以下ならば申告不要。

これは事実です。・・・確定申告に限った話であれば、ですが

 

実は、FXを含めたその他所得が1円でもある場合は住民税の申告が必要です。

こちらは税務署ではなく、お住まいの自治体の窓口で手続きを行う必要があります。

 

確定申告を行った場合、住民税の申告は不要です。

 

個人の場合は、『確定損益』ベース

さて、納税の必要がある『20万円以上の所得』について詳しく解説していきます。

この金額の基準は『確定損益』です。

年末時点で決済されていないポジション、つまり『含み益・含み損』は無視されます。

 

例えばこのように、年内に10万円の利益を確定、年末時点で30万円の含み損を抱えたまま翌年に持ち越した場合。

含み益は無視され、『確定利益10万円』を基準に確定申告の要否を判断する為、申告不要です。

 

次はこのように、年内の確定利益が30万円、含み損30万円を翌年まで持ち越した場合。

この場合も含み損は無視し、『確定利益30万円』だけで判定を行う為、申告が必要です。

 

なお、法人の場合は評価額ベースで課税されます。

 

肝心のスワップポイントは、FX会社によって分かれる

決済利益については上記の通り、『確定利益は含める、含み損益は除く』という扱いです。

では、スワップポイントはどうでしょうか?含む?含まない?

・・・答えはFX会社によって異なる、です。

 

実はスワップポイントの取扱いというのはFX会社によって大きく異なっています。

・日々預かり証拠金に加算され、自由に引き出したり証拠金として使ったりできるFX会社

・累積スワップポイントとして別枠で管理され、そのポジションを決済するまで引き出したり証拠金として使ったりできないFX会社

・スワップポイント部分を引き出すことはできないが、証拠金としては使うことができるFX会社

・・・など。

では、課税されるかされないかは何で判断すべきでしょうか?

答えは『FX会社が発行する期間損益報告書に準ずる』です。

 

基本的には『スワップポイントの引き出し可否に関わらずポジションが未決済であればスワップポイント部分は報告書に記載されない』というのが一般的ではあるのですが、ごく稀にポジションが未決済でもスワップポイントが損益報告書に記載され、課税対象となるFX会社があります。

私の知る限りでは、サクソバンク証券がその例に該当します。

 

ややこしい問題なのですが、個別のFX会社については直接問い合わせるか、報告書を見てみないと判断ができないです。

実現損益欄に記載されていたら申告する必要あり、記載されていなければ申告する必要なし、です。

 

期間損益報告書とは

期間損益報告書というのは、FX会社が発行する『この期間のこの人の損益いくらですよ』と証明するもの。

年間のものを『年間損益報告書』と呼ぶことも。

ほとんどのFX会社でマイページや取引画面からpdf出力できます。

確定申告への添付は必須ではないのですが、数値を証明する資料として保管しておくことになります。

申告の際は『実現損益』欄の数値を使います。

 

FXの利益は申告分離課税

税金が掛かる・掛からないの判断についてはここまで説明した通りです。

それでは、肝心の課税方法・・・いくら税金が掛かるのかというお話をしていきます。

 

通常の所得に対しては、全てを合算した上で総合課税という方法がとられますが、FXの利益に対しては申告分離課税という課税方法を取ります。

簡単に言ってしまえば、他の所得から切り離して一律で20.315%(所得税15%、住民税5%、復興特別所得税0.315%)の課税です。

総合課税と違って一律の税率なので、FXを除いた年間の所得が195万円以下ならば割高、195万円~330万円ならばトントン、330万円超ならば割安な税率ということになります。

 

つまり、100万円稼いだら203,150円の課税、以上。非常にシンプルですね。

 

海外FX会社は全て雑所得として総合課税されます。

給与所得者・年金所得者の場合20万円以下なら確定申告不要なのは同じです。(1円以上利益がある場合、住民税は申告しましょう)

 

損失も必ず申告しよう

さて、ここまで『FXに限らず、給与・年金以外の所得が合計20万円以上だったら確定申告が必要(義務)と書いてきました。

だけど、もう一つ確定申告をすべきケースがあります。

それはFXの年間収支が赤字だった人。

 

FXの赤字を申告しておくと、その赤字を繰り越して翌年以降の利益を相殺することができます。

たとえば、今年50万円の赤字が出て、来年100万円の黒字が出た場合、50万円の赤字を申告しておくことで翌年の利益から赤字分を差し引いて、税金の支払いを抑えることができます

なお、翌年の利益が50万円未満で引き切れなかったり、翌年も赤字だったりした場合には、最大で3年間まで繰り越すことが出来ます。

 

義務ではないので、『税金払いたい人』や『来年は絶対にFXをしない人』は申告をしなくても問題はありません。

 

まとめ

・FXなど、給与年金以外の所得が20万円以上ある場合、確定申告が必要

・金額は『実現損益』に準拠し、含み損益は無視する

・スワップポイントはFX会社によって扱いが異なる。損益報告書によって判断を。

・FXの利益に対する課税は申告分離課税で20.315%。

・赤字は繰り越して翌年以降の黒字と相殺できるので、マイナスでも申告しよう。

 


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