スワップ運用の基礎知識

FXの基本『差金決済』という仕組みを理解しよう!|FXも実は『CFD』の一種類

スワップポイント運用をする上では、FXという仕組みの中で取引をしていくことになります。

そのFXも最初の頃は不思議な言葉が飛び交って、中々理解できない・・・。

・FXは何故『売り』から取引できるのか?

・円しか持ってないのに『ユーロ/ドル』の取引ってどういうこと?

この記事では、特に初心者が混乱しがちな上記2点について解説していきます!

 

一言でまとめると

FXは実物を売買せず『差額だけ』をやりとりする『差金決済取引』だから成立する。

 

FXは何故『売り』から取引できるのか

FXの『売り取引』(売建、ショート)というのはご存知でしょうか。

1ドル=100円の時にドル/円を1万通貨売建して、1ドル=99円になったら1万円の利益が出る、というものです。

『円でドルを買う』なら分かりますが『ドル円を売る』って言われると『???』って感じですよね。

その理由は、FXは実物を売買していない、差金決済という仕組みの取引だからです。

 

通常の取引(ドル買い)ってこんなイメージですよね。

100万と1万ドルを交換して、決済時には1万ドルと99万円/101万円と再び交換する。この差額が損失/利益となる訳です。

しかし先程言ったように、実際のFXの取引は差金決済と言って実物のやり取りは行いません。

 

『ポジションを建てた時のレート』と『決済時のレート』の差額だけをやり取りするのです。

この為、売建というものが成立するのです。取引上は『ドルを売って円を買う』ことを意味しますが、実態としては下がったら利益が出て、上がったが損失が出るという『約束』の取引を行っているだけ、と

考えた方が近いですね。

※実際にはFX会社は注文を出しますし、完全なおままごとという訳ではないのですが。あくまでイメージです。

 

この仕組みは、実物をやりとりせずに金や原油を取引するCFDと同じ仕組みです。

CFD = Contract For Difference = 差金決済ということで、実はFXはCFDの一種であって、通貨のCFDのことをFXと呼んでいると言った方が正確ですね。

仮想通貨FXも正確に言えば『仮想通貨CFD』である(日本人にはFXの方が馴染みがあるからFXという言葉を使っているだけ)ということです。

 

参考:株の空売り

FXの売建と似た取引に、株の『空売り』というものがあります。

これも株価が下落すると利益が出るという意味では共通するのですが、FXと違って証券会社から株を借りて売却、その後株を買い戻して証券会社に株の形で返すという仕組みになっています。

その為、株によっては空売りに対応していないものも。

※一言に空売りできる・できないと言っても、一般信用銘柄・制度信用銘柄・賃借銘柄など分かれているのですが・・・それは株の話になるので、詳細は割愛。

また、証券会社から株を借りている間(つまり、空売り中)は貸株料という手数料が発生します。

FXの買建と売建にスプレッドの差はありませんが、株の場合は売買で取引コストが異なる訳です。

 

円しか持ってないのに『ユーロ/ドル』の取引ってどういうこと?

ここまでで、ドル円の売り取引というのはイメージして頂けたかと思います。

では・・・『ユーロ/ドル』の取引ってどういうことでしょうか。

ロングだったら、ドルを売ってユーロを買う。じゃあそのドルはどこからやってくるのか?

これも、差金決済という仕組みに基いて説明ができます。

 

しかし、円以外の通貨同士のペアを語る上では、pipsという概念を理解しておく必要があります。

FXでは1円、2円といった大きな幅ではなく0.1円、0.01円、0.001円といった小さな値動きでの取引が行われますから、もう少し小さい単位があった方が便利なのです。

日常生活ではあまり使われませんが、円には(1銭=0.01円)という単位がありますから、これを使えばまあまあ便利です。

ドルやユーロにもセントという単位がありますが、日本円に換算したら1セント≒1円くらいです。まだ単位としては大きいです。

それにドル・ユーロならいいですけど、フランは?ポンドは?リラは?ランドは?ペソは?と考えていくと、イチイチ覚えてられないよって話ですよね。

そこで、1/100セントに相当する単位をpipとし、その複数系pipsをFXの取引単位としようという約束事が生まれました。

 

ユーロ/ドル=1.2345が意味するのは、1ユーロ=1.2345ドルだよということ。少数第2位がセント、少数第4位がpipsです。

そして、クロス円以外の全ての通貨ペアにおいて少数第4位がpipsというのがお約束。

クロス円通貨においては、1pips=1銭、100pips=1円です。

 

ユーロ/ドル=1.2000の時にロングして、1.2010で決済したら、10pips、つまり0.1セントの利益。

この0.1セント×取引数量が、決済時の為替レートに基いて円換算されて実際の利益となります。

1ドル100円だったら0.10円 × 1万通貨で1,000円の利益、1ドル100円だったら0.1円 × 1万通貨で1,000円の利益です。

 

結局、円しか持ってないとかどうこうのは関係なくて、新規ポジションと決済ポジションの差額 × 取引数量 × 決済通貨のレート/100。これがFXの決済損益の仕組みです。

売建も同じで、結局は差金決済なのでどの通貨だろうが関係ない話です。

 

まとめ

・FXは実物のやりとりをせず、差額だけを取引する『差金決済』という仕組み

・その為、『売り』から取引を始めることもできる。

・また、円が絡まない通貨ペアであっても問題なく取引できる。(国内FX会社の場合、利益は円に換算される。)

 


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