スワップ運用の基礎知識

【税理士に聞いた】FX・スワップ運用で経費計上できるモノは?正しく申告して、正しい節税を。

FXの気になる税金の話。

実は通常の事業や商売と同様に、FXにおいても掛かった費用は経費として計上し、利益から差し引くことができます。

でも、実際のところどこまで経費にしていいの?後から問題にならないの?という点は不安ですよね。

 

・ここを押さえておけばOK!経費の基本的な考え方!

・経費計上で最大の恩恵があるケース

・これは経費になる?ならない?

 

こういった点について、税理士の先生に伺った情報を元に、まとめました。

 

FXの税金についての基礎的な話はこちらの記事も参考にしてください。

FX・スワップ運用における税金のルール!FX会社によって取扱いが違うので要注意。

FXで利益が出た、そうすると今度は気になるのが税金の話。 普通の会社員だと確定申告って経験がないけど・・・必要あるのかな?税金っていくら? そんな辺り、最初は心配ですよね。 ・FXで税金を納める必要が ...

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ここを押さえておけばOK!経費の基本的な考え方

まず、FXに限らず経費として計上する上での基本的な考え方は『その支出が収入に結び付くものであるか』という点です。

例えば同じ『モニター代』であっても、トレードに使うものであれば経費となりますが、テレビ代わりに使うならば経費とはなりません。

 

『税務調査が入った時に、税務署の職員に対して合理的な説明ができるか?』

『社会通念上、妥当であるか』

こういったところを一つの指標として考えましょう。

 

私用で使った費用を経費として計上することは立派な脱税です。

加算税・延滞税等が課され、本来よりも遥かに高い税金を払うことになるケースもありますので、正しい申告を行いましょう。

なお、当記事の内容は一般的な説明を行うものであり、個別の案件について判断を行うものではありません。

実際の例については税理士や最寄りの税務署にお問合せください。

 

基本は『明細あり』の領収書

経費として認めてもらう為に領収書の保管が義務付けられていますが、極力明細付きのものをもらうようにしましょう。

というのも、金額と『御品代』としか書かれていない領収書では本当にそのモノを買ったか証明できないからです。

家電量販店や百貨店なんて何でも売ってますから、何買ったかなんて分からないですよね。

『領収書ください』と言う必要はないんです。レシートの方がよっぽど信憑性が高いです。

 

10万円以上の『モノ』に注意

一つ、あるいは一式の価格が10万円を超えるものを購入した場合、原則として資産計上を行い、減価償却(資産の耐用年数に応じて、複数年で経費計上すること)を行う必要があるので注意が必要です。

2020年3月31日までに取得したものであれば、特例として30万円まで一括で償却可能です。

ハイスペックPCなんかは30万円を超える場合もあるので、この点には注意しましょう。

PCは全体で『一式』としてみなされるため、『CPUが5万でグラボが5万。メモリが3万で・・・全部10万以下。』という理屈は通じません。

 

私用でも使うものは『按分』を

明確に業務・私用と区別することができず、どちらでも使うものについては使用割合に応じて按分しましょう。

例えば、iPadなどのタブレット端末。

『基本的にはトレード用だけど、たまにKindleでマンガ読んだりするなあ・・・』

なんていう時は、半分経費とか、7割経費とか、実態に合わせて経費計上しましょう。

 

経費計上が圧倒的に有利になるモデルケース

例えば、FXで100万円の利益が出ていたとします。

この時何もしなければ203,150円の税金が掛かります。

もし10万円の経費があれば、課税される利益は90万円となり、182,835円に。払う税金が約2万円低くなります。

 

最も恩恵があるのは、経費を計上することで利益が20万円以下になるケース

例えば25万円の利益がある場合50,787円の税金が発生しますが、経費が5万円以上あれば利益が20万円以下となる為、確定申告不要、所得税が掛からなくなります

 

他に一時所得・雑所得がある場合は合算して20万円です。

住民税の申告は必要です。

 

PC(パソコン)やタブレット・モニタ

これは経費計上できる代表格ですね。

・トレード用のPC

・マルチモニタとしてのタブレット・モニタ

これらは多くのトレーダーが経費としているのではないでしょうか。

 

ただし、1台しか所有していないPCの全額を経費化するのはかなり厳しいです。

1台は家庭用、残りはトレード用、などという分け方をしているなら問題ありませんが、1台ならせいぜい半分が妥当でしょう。

 

また、実態に合っているかも注意が必要。

損益報告書を見ると明らかにスワップ運用をしているのに、本当にモニタ9枚も要る?なんて指摘を受けないように注意しましょう。

 

事務所・トレードルームの家賃

『トレードに集中する為、事務所を借りている』

これが事実なら、経費として認められる可能性は高いです。

でもスワップ運用においてはあまり現実的ではないと思いますけどね。

 

『家の一室をトレード専用に使っている』

これも事実なら問題ないです。家の床面積に応じて家賃を按分して経費として計上できるでしょう。

(例えば50平方メートルの家のうち、10平方メートルの部屋をトレードルームとしている場合は家賃の1/5を経費計上)

 

持家の場合、経費にできるのは床面積割合 × 住宅ローンの『金利部分』のみです。

その上、住宅ローン減税にも干渉するので注意しましょう。

 

ネット回線代・電気代

全額は難しいですが、按分して一部を経費として計上することは可能です。

電気代はパソコン・モニタの消費電力と使用時間を掛けたり、トレードルームの面積割合を掛けたりする方法があります。

 

税務調査に入った際、家具を動かした痕跡があって不正が発覚・・・なんてこともあったようです。

 

セミナー代・交通費・宿泊費

FXに関するものであれば経費計上可能です。

ただし、交通費や宿泊費は指摘されやすい項目なので『何のセミナーに行ったか』をしっかり記録しておきましょう。

セミナー資料などを併せて残しておくと◎。

 

『東京から大阪のセミナーに行ったのに4泊5日』

『帰りに名古屋に寄っている』

など、整合性のない行動をとらないようにしましょう。

『往復の交通費と1泊は経費、残り3泊は私用』という切り方ならアリです。

 

書籍代・新聞代

FXに関するものであれば問題ありません。

日経とかであれば新聞代も行けるでしょう。

 

毎週月曜日に270円の書籍代・・・なんてのは危険ですね

 

飲食費(接待交際費)

税務署が一番目を光らせている箇所です。注意しましょう。

例えば『セミナー後に有料の懇親会があった。』これなら全然問題ないでしょう。

『FXの先輩と食事をしながら手法を教わった』微妙なラインです。

『FX仲間と親睦を深めた』多分アウトです。

 

一般的な個人事業主と比べ、必然性は低いですよね。

領収書の裏などに『誰と・何の話をしたか』記録しておくと信憑性が高まります。

 

情報商材・有料メルマガ・トレードシステム(EA等)

これも書籍と同じで大丈夫ですね。

ただし、高額なものほどFXに関するものである証明を求められる可能性があります。

 

資料の一部をコピー・プリント等しておくと信憑性が高まります。

 

スプレッド・取引手数料

スプレッドは、それを差し引いて利益が計算されているため経費にはなりません。

ただし、外付けされている手数料については経費計上が可能です。

 

損益報告書等で『手数料』として記載されていることを確認しましょう。

 

まとめ

・『何はOK、何はNG』ではなく、『それが収益に結びついているか否か』がポイント。

・社会通念上どうか・・・つまり『自分の胸に手を当てて考えよう』。

・正しく申告して、正しい『節税』を。

・虚偽の申告と『脱税』は絶対にやめましょう。

・判断できない場合、最寄りの税務署に電話をすれば相談に乗ってくれます。

同じFXでもスキャルピングとスワップ運用ではまた違ってきますから、実態に沿った申告をしましょう。


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