スワップポイントの『サヤ取り(アービトラージ)』というものをご存知でしょうか。
高金利通貨のリスクを最小限に抑え、通貨が下落しても稼ぐことができる裏技的な運用方法です。
特殊なスキルが必要な訳ではなく、この記事に書かれた通りの方法を使えば誰でも同じ運用成績を出すことができます。
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スワポなのにノーリスク!?『サヤ取り(アービトラージ)』とは|スワップ運用の投資手法
積立・買い下がりなど、リスクを軽減するスワップ運用手法はいくつかありますが、強烈な下降局面ではどう足掻いても損失が出てしまいます。 でも実は、下落局面でも損失を出さずに稼ぎ続けるスワップ運用が存在する ...
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私は実際にこの手法で運用して毎月20万円以上を安定して稼いでいます。
資金の大小こそあるかもしれませんが、誰にでも再現可能な最強の投資方法だと思っています。
そんなサヤ取り戦略について、概論ではなく私が稼いでいるスワップサヤ取り手法について具体的な設定方法などを全て公開していきたいと思います。
ポイント
サヤ取りとは、為替変動リスクをゼロにした運用方法
通常のスワップ運用よりも収益率は下がるが、圧倒的に安定する
同じ設定をすれば誰でも同じ結果を残せる
簡単におさらい:スワップポイントサヤ取り(アービトラージ)とは?
サヤ取りって何?という方の為に、簡単におさらいをしておきます。
(既にご存知の方はこの項目を飛ばしてください。)
サヤ取りとは・・・
- 買いスワップポイントが高いFX会社で買いポジション
- 売りスワップポイントが安いFX会社で売りポジション
をそれぞれ同じ数持つことで、為替変動による損益をゼロにする投資手法です。
別名、アービトラージ、裁定取引、異業者両建てとも。
この時、二つの口座に跨って両建ての状態になっているので、
- 通貨が上昇すれば、買い口座がプラス・売り口座がマイナスに
- 通貨が下落すれば、売り口座がプラス・買い口座がマイナスに
利益と損失が相殺され、相場の変動による損益が常にプラスマイナスゼロになります。
そして、買いスワップと売りスワップの差額だけを吸い取ることで利益を得ます。
買いスワップが100円、売りスワップが-80円であれば、差額の20円をノーリスクで獲得するイメージです。
ポイント
会社間をまたいだ両建て状態によって、差引の損益をプラスマイナスゼロにする
会社間のスワップポイントの差を利用して、差額だけプラスで受け取る
サヤ取り(アービトラージ)の具体的手法
さて、具体的な手法を説明していきます。
- 通貨ペア
- FX会社
- レバレッジ(数量)
というポイントに絞って解説します。
運用対象の通貨ペア
運用している通貨はトルコリラ円です。
理由はズバリ『運用効率が高い(利益率が良い)』から。
各社のスワップポイント次第で南アフリカランドが優位な時もありますが、安定しているのはトルコリラです。
くどいようですが、サヤ取りにおいてはその通貨が上がるとか下がるとかはどうでもいい話です。
相場の変動による利益は相殺されるので、通貨ペア選びにおいて重視すべき要素は
『 スワップポイントの差 > スプレッド > 値動きの幅 』
です。
とにかく重要なのは、買いスワップと売りスワップに乖離があること。
値動きの幅というのは、いわゆるボラティリティ。
動きの大きさだけであって、上とか下とかは関係ありません。
どのくらいの頻度でポジションを持ち直す必要があるかという点です。
これについてはレバレッジの項で詳しく説明します。
ポイント
通貨ペアは『トルコリラ円』がおすすめ
使っているFX会社
2019年1月現在、私が実際に使っているのは以下の会社です。
トルコリラ『買い』口座:くりっく365
トルコリラ『売り』口座:FXプライムbyGMO
サヤ取りは『スワップポイントの差』が命綱ですので、付与額に変動があれば速やかにFX会社を変える必要があります。
バイアンドホールドのように『ちょっと下がったけど様子見るか~』は通用しません。
差が縮まっただけならいいですが逆転してしまった瞬間から損失が始まりますから、変動に対応する為に主要なFX会社の口座は抑えておいた方がいいでしょう。
スワップポイントが変動してから慌てて口座開設しているようじゃ、機会損失ですからね。
機会損失:プラスになるチャンスを逃すこと
私はすぐに対応できるように、20以上の口座を保有しています。
(幸いにも今まで使った口座は半分以下ですが・・・)
ポイント
トルコリラのサヤ取り口座は『くりっく365』と『FXプライムbyGMO』
ただし、変動に備えて広く口座を持っておくべき
レバレッジ
私のサヤ取り運用は、およそレバレッジ7倍程度です。
ここは未だに試行錯誤している点ですが、このくらいが利益の大きさ・ポジション調整の手間のバランスが良いところかなと。
サヤ取りは相場変動による値動きの影響を受けないので『レバレッジを上げるとリスクが・・・』という心配は基本的に必要ありません。
しかし両方の口座で見ればプラスマイナスゼロでも、それぞれの口座はロスカットになる可能性があります。
そうならないように指値・逆指値を入れて、大きく変動したら一時的に運用が停止されるように設定するのですが・・・
あまりレバレッジが高すぎると、これがシビアすぎて運用が現実的ではなくなってしまいます。
運用を止める手間まで考慮した期待収益は以下の通りです。
3倍 | 5倍 | 10倍 | |
---|---|---|---|
トルコリラ | 5.475% | 8.242% | 11.050% |
南アフリカランド | 6.675% | 10.800% | 15.313% |
メキシコペソ | 3.600% | 5.350% | -1.000% |
私はレバレッジ約7倍なので、ざっくりですが年間10%程度の運用成績といったところです。
ポイント
レバレッジは7倍くらい(年利約10%)がおすすめ
10倍だとちょっと高過ぎる
安定性や、資金入れ替えの手間を省くなら3~5倍(年利5~8%)
具体的な運用状況
資金を100万円だと仮定して、実際に運用の例を見ていきましょう。
トルコリラ円=20円して書いていきます。
資金の配分
本来であれば売り口座と買い口座に半分ずつなのですが、トルコリラについては下落の可能性が高いと思っているので、買い口座の資金を多めにしています。
トルコリラ買い口座:60万円
トルコリラ売り口座:40万円
こんな感じですね。
取引数量
レバレッジは7倍。
口座の金額は差をつけているとはいえ、基準はあくまで半分の50万円をベースに計算するので・・・
50万円 × レバレッジ7倍 ÷ 20円= 17.5万通貨
という感じになりますね。
買いは口座のFX会社は1,000通貨単位に対応してるけど売り口座は1万通貨単位・・・という時は注意。
同じ数量になるよう、1万通貨単位に切り上げ・切り捨てしましょう。
指値・逆指値
サヤ取りでは、一方がロスカットになってもう片方が動き続けていると損失が拡大する恐れがあります。
その為、片方がロスカットになる前に両方同時に止まる様に指値を入れておくのがポイント。
つまり・・・
- 買い口座には指値(今のレートより上・利確)と逆指値(今のレートより下・損切り)
- 売り口座には指値(今のレートより下・利確)と逆指値(今のレートより上・損切り)
という、4つの決済注文を入れておく必要があります。
(トルコリラ・南アフリカランド両方運用する場合、合計8件。)
上記の設定だと、ロスカットになるのは・・・
- トルコリラ買い口座:約2.6円の下落
- トルコリラ売り口座:約1.3円の上昇
が目安になってきます。
正確にはスワップポイントの蓄積によって変動します。
この為、そのレートの手前に指値・逆指値を入れておきましょう。
- 買い口座:1円上昇したら利確、2円下落したら損切り
- 売り口座:2円下落したら利確、1円上昇したら損切り
という風に止まるように注文を入れておく感じですね。
20円で注文した場合は、以下のような感じです。
指値(利確) | 逆指値(損切り) | |
買い口座 | 21円 | 18円 |
売り口座 | 18円 | 21円 |
指値・逆指値に掛かって稼働が止まったら・・・
指値・逆指値に掛かって運用が止まった場合、利益が出ている方の資金をもう一方に移し、その後再稼働します。
例えば通貨が下落した場合、買い口座は損失・売り口座は利益が出ている状態になります。
この売り口座で出ている利益の分を買い口座に移し、資金のバランスを戻します。
買い口座60万円・売り口座40万円ででスタート
→ 通貨が下落・運用ストップ
→ 買い口座が10万円・売り口座が90万円に
→ 売り口座の50万円を出金(90万円 → 40万円)
→ 買い口座に補填(10万円→60万円)
→ 元に戻ったので、運用再開
という感じですね。
計算上スワップポイントを無視していますが、実際にはその間に得ていたスワップポイントの差額だけが利益として残るということです。
スワップポイントサヤ取り(アービトラージ)戦略 総まとめ
FX会社 | 資金 | 数量 | 指値 (利確) | 逆指値 (損切) |
|
---|---|---|---|---|---|
トルコリラ 『買い』 | くりっく365 | 60万円 | 17万通貨 | +1円 | -2円 |
トルコリラ 『売り』 | FXプライムbyGMO | 40万円 | 17万通貨 | -2円 | +1円 |
運用資金を100万円として具体的な設定をまとめると上記のようになります。
資金が50万円なら、各口座の入金額と数量を半分にするなど調整してみましょう。
サヤ取りは、値動きが不安定な高金利通貨のデメリットを抑えた安定的な運用方法です。
この方法で、安定した利益を獲得しましょう。
トルコリラ『買い』口座:岡三オンライン くりっく365
くりっく365は、東京証券取引所が提供するFX取引所です。
スワップ派からは非常に厚い支持を受けていますが、特にトルコリラのスペックが高く、おすすめ。
口座は各FX会社を通じて開設するのですが、その中でも手数料無料・取引ツール充実の岡三オンライン証券がおすすめです。
トルコリラ『売り』口座:FXプライム byGMO
FXプライムbyGMOは、残念ながらトルコリラのスワップポイントが高くありません。
しかし、その反面で売りポジションを持った時のマイナススワップも安いのがポイント。
サヤ取りをする際の『売り口座』としては最高のFX会社です。