FXプライムbyGMOはスプレッド面では最近の流れに一歩遅れていますが、サーバーの安定度や約定力など、FXの基礎となる部分が非常にしっかりとしたFX会社です。
また、トルコリラのスワップポイントは低めですが、南アフリカランド・メキシコペソのスワップポイントは非常に高く、スワップポイント運用にはおすすめです。
この記事では、FXプライムbyGMOの『選べる外貨』について
- スペック一覧
- スペック詳細
- メリット
- デメリット
をまとめていきます。
『FXプライムbyGMO』が社名で、『選べる外貨』がFXのサービス名です。
愛称は『プライム』。
『GMO』の名が付くFX会社は『FXプライムbyGMO』と『GMOクリック証券』の二社があります。
GMOクリック証券はGMOグループの中の一社として生まれた存在ですが、FXプライムbyGMOは元々は伊藤忠資本のFX会社として発足し、その後GMO傘下に入った会社です。
その為、同一グループではありながら、サービスの内容は大きく異なります。
FXプライムbyGMOのスペック一覧
各項目クリックで該当箇所にジャンプします。
FXプライムbyGMO『選べる外貨』 | ||
取扱ペア数 | 20ペア | |
スプレッド | TRY/JPY | 4.8銭原則固定 |
ZAR/JPY | 3.0銭原則固定 | |
MXN/JPY | 1.9銭原則固定 | |
最小取引単位 | TRY/JPY | 1,000通貨単位※ |
ZAR/JPY | ||
MXN/JPY | ||
必要証拠金 | TRY/JPY | 4% |
ZAR/JPY | ||
MXN/JPY | ||
両建て | MAX方式 | |
ロスカット | アラート | - |
発動レート | 維持率80%以下 | |
手数料 | 5銭(ZAR/JPY,MXN/JPY0.5銭) | |
対象ポジション | 全ポジション | |
追証 | 解消期限 | 翌営業日24時まで |
解消方法 | 入金・一部決済 | |
スワップポイントの引出 | 不可 | |
未決済スワップポイントの課税 | - | |
最大発注数量 | 200万通貨※ | |
最大建玉数量 | 各通貨ペア5000万通貨 | |
1日の取引上限 | 上限なし | |
クイック入金 | 10行 | |
取引ツール | PCブラウザ | ○ |
PCクライアント | ○ | |
スマホアプリ | ○ | |
ガラケー | ○ | |
電話 | × | |
取引時間 | 米国標準時間期間 | 月曜07:00~土曜06:50 |
米国夏時間期間 | 月曜07:00~土曜05:50 | |
メンテナンス時間 | 米国標準時間期間 | 06:57から10~15分程度 |
米国夏時間期間 | 05:57から10~15分程度 |
FXプライムbyGMOの取扱通貨ペア
取扱い通貨ペアは全部で20ペア。
高金利通貨としては、以下の3通貨ペアの扱いがあります。
- TRY/JPY(トルコリラ円)
- ZAR/JPY(南アフリカランド円)
- MXN/JPY(メキシコペソ円)
三大スワップ通貨勢ぞろいですね。
参考に、全取扱い通貨ペア一覧を載せておきます。
あまり注目されない通貨ペアですが、PLN/JPY(ポーランドズロチ/円)の取り扱いがあるのが珍しいですね。
クリックして全通貨ペアを表示
全20ペア、主要高金利通貨はトルコリラ円、南アフリカランド円、メキシコペソ円
FXプライムbyGMOのスプレッド
主要高金利通貨のスプレッドは以下の通りです。
- トルコリラ円:4.8銭原則固定
- 南アフリカランド円:3.0銭原則固定
- メキシコペソ円:1.9銭原則固定
最近のスプレッド縮小の流れから比べると、ちょっと広めと言わざるを得ないですね。
しかしスワップ運用においてはスプレッドの重要性はそれほど高くないので、許容範囲と言ったところでしょうか。
全通貨のスプレッド一覧はこちら。
クリックして全通貨ペアのスプレッドを表示
スプレッドはやや広め
FXプライムbyGMOの最小取引単位
最小取引単位は、全通貨1,000通貨単位です。
ただし、1万通貨未満の取引には片道3銭の手数料が発生してしまいます。
往復で6銭。これをスプレッドと合わせると・・・
- トルコリラ円:10.8銭
- 南アフリカランド円:9.0銭
- メキシコペソ円:7.9銭
実質的にはこれだけのスプレッドに相当することになりますね。
現実的には1万通貨単位で取引を行うことになるでしょう。
1,000通貨も可能だが、手数料を考えると実質的には1万通貨単位
FXプライムbyGMOの必要証拠金
必要証拠金は、全通貨ペアで取引額の4%です。
算出基準はリアルタイムのレート。
レバレッジ上限の25倍を使えることになるので、この点は文句なしですね。
必要証拠金は取引額の4%(レバレッジ25倍)
両建てについて
両建て可能、必要証拠金はMAX方式です。
MAX方式とは
売買両方のポジションを持った場合、いずれか数量の多い方の証拠金のみ必要になる方式。
例えば買い10万通貨・売り5万通貨の場合、必要な証拠金は10万通貨分のみ。
ロスカット・追証について
- 取引時間中に証拠金維持率が80%を割るとロスカット
- NYクローズ時に証拠金維持率が100%未満だと追証
FXプライムbyGMOのロスカットのルールは上記の二つです。
また、証拠金維持率が100%を割った時点で新規注文や発注済新規注文の変更が出来なくなります。
もちろん、こんな事態にならないに越したことはないのですが・・・。
ロスカットは証拠金維持率80%
『証拠金維持率が80%を割ると全ポジションが強制決済』
がルールです。アラートメールなどはありません。
強制決済の際、5銭の手数料(南アフリカランド円・メキシコペソ円は0.5銭)、つまり1万通貨あたり500円(50円)のコストが掛かります。
NYクローズ時に維持率100%未満で追証
NYクローズ時に証拠金維持率が100%未満だと、追証(追加証拠金)が発生します。
※米国標準時間期間:06:50、夏時間期間:05:50
米国標準時間期間:11月第1日曜~3月第2日曜
米国夏時間期間:3月第2日曜~11月第1日曜
追証が発生した場合、ポジションを決済するか、入金するかで不足分を賄わなくてはいけません。
この補うべき金額はNYクローズ時点の不足額なので、翌日の取引時間中に相場が好転して評価額が改善されたとしても、NYクローズ時点での不足額を補わなくてはいけません。
例えばNYクローズ時に1万円の証拠金不足が発生し、その後好転して証拠金維持率が100%を超えたとしても1万円の入金、もしくは相当額のポジション決済が必要です。
この期限は発生の翌営業日24時まで。
月曜の取引で証拠金不足となり、月曜のクローズ時(火曜日06:50)に追証が発生した場合には火曜の24:00までに解消が必要です。
(金曜の取引だった場合、翌月曜の24:00)
これまでに解消できなかった場合、全てのポジションが強制決済されます。
この場合も5銭(南アフリカランド円・メキシコペソ円は0.5銭)の手数料が掛かります。
また、その時間よりも前に証拠金維持率が80%を下回った場合、その時点でロスカットとなります。
取引時間中でも、証拠金維持率80%を割ったら強制ロスカット。
NYクローズ時に証拠金維持率が100%を下回っていた場合、追証。翌営業日24時までに解消しないと全ポジションが強制決済。
スワップポイント部分の取り扱いについて
- スワップポイント部分の引き出しは不可
- ポジション未決済でも証拠金としては使える(証拠金維持率には反映される)
- ポジション未決済の場合、そのポジションは課税対象とはならない
例えばドル=100円でレートが変動しなかった場合・・・
証拠金4万円
ドル円ロング1万通貨を保有(証拠金維持率100%)
ドル=100円でレートが変動しないものとする
この時、スワップポイントが発生しても出金可能額は0円のまま変動しません。
ただし、スワップポイントが付与されていくと証拠金維持率は増加していきます。
増えた分のスワップポイントで新たにポジションを建てることは可能です。
いくらスワップポイントが溜まっても、元のポジションを決済しない限りは課税対象となりません。(損益報告書に記載されません)
発注上限・建玉の上限
- 最大発注数:新規200万通貨(※)
- 最大建玉数:各通貨5000万通貨まで
- 一日の取引上限:上限なし
※複数決済注文の場合の上限は500万通貨、全決済の場合は1000万通通貨まで発注可能です。
一応発注・建玉の上限はありますが、かなりの金額を動かさない限りは気にする必要は無さそうです。
少なくとも私には縁がない・・・。
クイック入金の対応について
クイック入金『ネット入金24』の対応金融機関は10行。
都市銀行・大手ネット銀行はしっかり抑えています。
提携金融機関一覧を表示
クイック入金:手数料無料で即時入金が行えるサービス。
利用にはインターネットバンキングの登録が必要です。
取引ツール
- PCブラウザ:取引画面
- リッチクライアント:『PrimeNavigator』
- PCブラウザツール:『ハイスピード注文』
- スマホ・iPadアプリ:『PRIMEアプリS』
- スマホブラウザ:取引画面
- ガラケー:モバイル取引ツール
PCからガラケーまで網羅しているので、取引に困ることはほぼ無いでしょう。
PCブラウザツールの『ハイスピード注文』は、マイページなどにポップアップできる、いわゆるクイック注文系ですね。
リッチクライアント:PCにインストールするタイプの、高性能取引ツール
取引時間・メンテナンス時間
ごく一般的な感じなので、特筆すべき点はありません。
取引時間
米国標準時間期間:月曜07:00~土曜06:50
米国夏時間期間:月曜07:00~土曜05:50
メンテナンス時間
米国標準時間期間 06:57から10~15分程度
米国夏時間期間 05:57から10~15分程度
FXプライムbyGMOのメリット
FXプライムbyGMOのメリットは大きく3つ。
- スワップポイントが高い
- 約定力が高い
- サーバーの安定性が高い
それぞれの項目について、詳しく説明していきます。
スワップポイントが高い
時期によっても前後しますが、総じてスワップポイントが高い傾向があります。
しかし、2018年に入ってからトルコリラはイマイチになり、代わりに南アフリカランド・メキシコペソが非常に高い状況が続いています。
この2通貨の取引を検討している方は、絶対に抑えておきたいFX会社ですね。
約定力が高い
約定力とは、発注した注文が拒否されることなくしっかり成立する率が高いということです。
平常時であればどこも変わらない点ですが、雇用統計などの指標発表時、大統領選などのビッグイベント時、要人発言・・・そんな時に急変してもしっかり約定するかは非常に重要なポイントです。
あまりに急激な変動だとロスカットが約定せずに元本以上の損失が発生することもあり得ますので、しっかりロスカット・逆指値が約定することで損失を限定できます。
スワップポイント・スプレッドなどと違って普段あまり表に出てこない部分ですが、2017年7月に矢野経済研究所の調査によってスリッページが発生せずに約定する『完全約定100%』という結果が出ています。
よくスリッページを無視して約定率だけをアピールしているFX会社がありますが、FXプライムbyGMOはスリッページの発生しない『完全約定』です。
サーバーの安定度が高い
重要指標の発表、要人の発言・・・そんな急変時、万が一サーバーがダウンして損切りが約定しなかったらもう大変なことですよね。
FXプライムbyGMOは過去9年間、サーバーダウンが発生していません。
それはまさに、目に見えないインフラ面にしっかりコストを掛けているからに他なりません。
システム管理・セキュリティ対策の証として、FX会社で唯一ISMS・ITSMSの国際規格の認証を得ています。
(ISMS:ISO/IEC27001:2013=JIS Q 27001:2014、ITSMS:ISO/IEC20000-1:2011)
FXプライムbyGMOのデメリット
FXプライムbyGMOにも、もちろんデメリットはあります。
- スプレッドがやや広め
- 1,000通貨単位の取引に手数料が掛かる
それぞれ解説していきます。
スプレッドがやや広め
FXプライムbyGMOのスプレッドは決して狭くありません。
- トルコリラ円:4.8銭原則固定
- 南アフリカランド円:3.0銭原則固定
- メキシコペソ円:1.9銭原則固定
いわゆる『業界最狭水準』と比べると、倍以上の開きがあるのが実態です。
・・・しかしながら、スワップポイント運用というのは色々な手法があれど、スキャルピングのように頻繁に売買を繰り返すことはまずありません。
その為、スプレッドが収益率に与える影響は極めて小さいと言えます。
(買い増しすることはあるかもしれませんが、それは売買の頻度とは別問題。)
極端な例ですが、
- スワップポイントが1日300円もらえるけどスプレッドが1円
- スワップポイントが1日10円しかもらえないけどスプレッドが0.1銭
なんて例があったら、選ぶべきは絶対に前者です。
その為、このデメリットはそれほど大きくはないと言えるでしょう。
1,000通貨単位の取引に手数料が掛かる
FXプライムbyGMOの最小取引単位は全通貨ペアで1,000通貨単位ですが、1万通貨未満の取引だと片道3銭の手数料が発生します。
スプレッドと合わせると結構な額です。
しかし、上の項目に書いたようにスワップ運用においてはあまり重要度が高くないのと、1万通貨単位の取引でもあまり困らないというのが私の考えです。
具体的に言えば、運用資金が10万円以下であれば影響があるのでこの会社を使うのは避けましょう。
それ以上であれば、1万通貨単位の取引でも問題はないと言えます。
FXプライムbyGMOのスペックまとめ・総評
○南アフリカランド・メキシコペソのスワップポイントが高い
○約定力・サーバーの安定感が高い
○他にはない『サヤ取り』口座としての魅力
△スプレッドが広く、1万通貨未満の取引に手数料が掛かる
一言でまとめると『ちょっと保守的なFX会社』という印象です。
しかし約定力やサーバーの安定感など、システムの基礎となる部分が非常に強く、安心して資産を預けられるFX会社です。
この辺りは数値化することができず、他社のメリットと比べたときに見劣りしてしまうのですが、逆に言えばそういった部分に力を入れている会社というのは好感が持てますね。
スワップ運用という観点では、南アフリカランド・メキシコペソのスワップポイントが非常に高いのが魅力です。
また、通常のスワップ運用とはちょっと違ったトルコリラのサヤ取り売り口座や、ポーランドズロチ・ユーロの相関トレード口座として唯一無二の存在。
キャッチフレーズの『まじめに、FX。』の通り、非常に堅実な運営をするFXプライムbyGMO。
大切な資産なのだから、堅実な会社に預けてはいかがでしょうか?
信頼感とサヤ取りが魅力の『FXプライムbyGMO』
FXプライムbyGMOの『選べる外貨』はトルコリラのスワップポイントは若干低めですが、南アフリカランド・メキシコペソのスワップポイントは非常に高く、スワップ運用におすすめです。
約定力やサーバーの安定度など、システム面も強固で安心して資産を預けられるFX会社です。